一般歯科

歯周病治療

歯周病について

歯周病(歯槽膿漏病)とは、歯の周り、特に、歯と歯の間の汚れと、歯と歯ぐきの境目の汚れ(磨き残し)が原因で、歯の周りの骨や組織を破壊していく病気です。

自覚症状
(1)歯を磨くとき、歯ぐきから血が出る。
(2)歯ぐきが赤く、腫れている。
(3)歯がグラグラする。
(4)口臭がある。(人に指摘されたことがある)

歯周病は体調の変化やお口の中の環境により気付かないうちに進行しています。最近では、歯周病が全身の病気(心疾患・糖尿病・胃潰瘍・肺炎・低体重児出産)に影響を及ぼすことが分かってきています。飯田歯科では歯周病予防から、しいては全身の健康を考えます。歯周病の進行を抑制するには、自宅でのブラッシングと専門家による定期的なクリーニングが大切です。

歯周病とは歯周病菌と歯の周囲の歯垢(プラーク)が原因で、歯肉が炎症を起こし歯を支える骨が溶ける病気です。歯周病の治療は、原因となっているプラークを取り除くプラークコントロールや歯石除去(スケーリング)が基本ですが、歯周病が進行した場合には進行状態に応じた治療が必要となります。当院では、中等度以上進行した歯周病患者様に対しては歯周外科治療をおこなっています。(下記参照)

ところで、歯周病菌が酸素のある環境ではほとんど活動できない細菌だと言うことをご存じですか? 歯周病菌は歯と歯肉の境目(歯周ポケット)に巣を作ります。歯周病が進行すると歯周ポケットが深くなり、歯周ポケットが深くなれば深くなるほど、酸素が届かないので歯周病菌が活動しやすい環境になります。そこで、歯周ポケットの深さを浅くして、酸素を届きやすくするために歯周外科治療が必要となります。

歯周病の進行について

歯周病の進行について

歯周炎や軽度の歯周炎ではブラッシングとスケーリング(歯垢、歯石除去)で進行を抑えることができます。
中等度の歯周炎では、完全には歯垢、歯石を取りきれないので歯周外科治療が必要になります。
重度の歯周炎では、それ以上骨を失わないためにも抜歯が必要なこともあります。

歯周外科治療について

具体的には下図のように行います。麻酔を行い、歯肉を切開し、歯肉をめくって、歯周ポケットの深くにたまった歯石を取り除き、歯周ポケットが浅くなるように歯肉を位置付けて縫合します。歯周外科治療は、麻酔下でおこなうので基本的には痛みはありません。その上から歯周パックで包帯することもあります。通常は1週間後に抜糸します。完全に歯肉が治癒するまで、少なくとも1ヶ月かかります。術後、1日~2日は痛みがあり、痛み止めを服用してもらいますが、術後は歯周病菌の巣がなくなり、歯周ポケットが浅くなることでブラッシングしやすい環境になり、将来的に歯が長持ちするようになります。

歯周外科治療について

歯周病の状態によっては、失われた骨を回復するために骨移植(自家骨)を行ったり、また失われた歯周組織を回復するエムドゲイン治療をおこなうこともできます。失われた周囲の骨や組織を回復することで、歯を抜かないで済ませるようになります。ただ、これらの処置は保険がきかないので、骨移植(20,000円)、エムドゲイン(30,000円)の費用がかかります。エムドゲインと骨移植を併用した方が効果がある場合もあるので歯科医師にご相談下さい。

歯周外科治療について

歯周外科治療をおこなった後も歯周病が再発しないように、自宅でしっかりブラッシングを行ってもらい、歯のクリーニングを行っていくことが歯周病予防につながります。酸素を嫌う歯周病菌を退治するためにも、定期的な歯科医院でのスケーリング(歯石除去)が大切です。

最新の歯周病治療の流れ

歯周病について当院の歯科衛生士のブログより重要な流れを抜き出しています。
ご参考にしていただくとありがたいです。かなり専門的な内容が多いですので、素人の方には高度になるかもしれませんが、興味のある方には参考になると思います。歯科医院によっても考え方の違いもあると思いますし、患者様それぞれの症状により対応が異なるのが実際の臨床でもあります。いろいろな衛生士学校を卒業しそれぞれのキャリアを持つ歯科衛生士が一つの歯科医院で一緒に患者様の指導や治療を行うには共通の認識が必要であります。飯田歯科では現在9名の歯科衛生士が共に仕事をしておりますので、飯田院長の指導の下で、最新の共通認識を持って治療が行えるように勉強しディスカッションした結果をブログにアップしております。それらをまとめて報告させていただきます。

歯周病治療について(1)

いつも予防歯科で来院していただいている患者さまには、私達 歯科衛生士は、ただ検査して掃除をしているのではなく虫歯や歯周病になっていない歯はこの先ならないように、予防の為にはもちろんの事 既に罹患している歯については、虫歯は治療で 修復し、歯肉炎、歯肉炎については歯周治療を予防歯科で行っています。

歯周治療とは

歯科医師 歯科衛生士だけが頑張って治療をして成り立ちません。
患者さま 歯科医師 歯科衛生士の3人がチームとなり、共に同じ方向を向いて 初めて治療を進める事が出来ます。
そこで、皆様にも、歯肉炎、歯周炎とはなんなのか?
歯周治療とは何なのか?
どんな事をしているのか?等を少し難しいとは思いますが、出来る限り解りやすく説明させて頂きたいと思います。
歯肉炎や歯周治療は簡単には説明できないので、少しずつ基礎から説明させて頂きますね。

まず、『ポケット測定』について説明します。
予防歯科では、定期的に『歯茎の検査』『歯周病の検査』をしますと言って、針みたいなものを歯茎に刺しているのを経験された方が多いと思います。
これは、「プローブ」と言う器具を使って歯肉のてっぺんから、歯周ポケット(歯肉溝)の深さを測って行きます。
この行為を 「プロービング」と呼びます。
では、何の為にプロービングを行うかを説明します。
目に見えない部分については、レントゲン写真を使えば、歯や骨といった硬組織の状況はわかりますが、歯肉という軟組織の情報までは、レントゲン写真ではわからない為 軟組織の情報を得るために行います。
このプロービングこそが、カギであり色々な事が分かるためにかなり 奥の深い話になってきます。
それでは、「プロービング」の基本については、次回から詳しく説明させていただきます。

歯周病治療について(2)

プロービングによって得られる情報

●ポケットの深さ・形・輪郭・幅の診査
●縁下プラーク・縁下歯石の有無と位置
●根面の粗造面の有無と程度
●歯肉やポケットからの出血の有無
●根分岐部病変の有無とその程度(進行度)
●歯肉の緊張度
●アタッチメントレベル
●接合上皮と歯肉歯槽粘膜境界部との位置関係など

プロービングを行う時期

●初診および再診時
●プラークコントロールおよびスケーリングやルートプレーニング時
●外科処置の術前・術後・最終治療時
●メインテナンス時
[よく出てくる言葉と意味]

● 縁上・・・歯肉(歯肉頂)より上の歯の部分を示す。
●縁下・・・歯肉(歯肉頂)より下(歯肉の中)の歯の根の部分を示す。
●プラークコントロール・・・プラーク(歯垢)を減らすこと
●スケーリング・・・歯石除去
●ルートプレーニング・・・歯根面に付着しているプラーク除去
●アタッチメント・・・歯根を周囲の歯肉や歯槽骨がコラーゲン線維の束でつなぎとめている状態を示す。歯肉線維+歯根膜線維=アタッチメント(線維性付着)
●アタッチメントロス・・・正常なアタッチメントの線維がなんらかの原因で壊れたり切れたりしたあと。修復されないで歯根とのつながりを失った状態を示す。
●CEJ(セメントエナメルジャンクション/セメントエナメル境)
●歯根の表面を覆っているセメント質と歯冠の表面を覆っているエナメル質との境目
●アタッチメントレベル・・・CEJからポケット底までの距離
●BOP・・・プロービング時の出血

専門用語がずらりと並んでしまいました。
歯科と関係のない一般の方はさっぱりわからないかもしれませんね。
それでも、少しでも歯周病の専門的な知識を得たい、または試したい方はこの後に問題を考えてみてください。

それでは用語の説明をしたところで歯肉炎と歯周炎を見分ける問題です。

問1 歯周組織の状態を見分ける(区別する)方法は何でしょう?
(1)肉眼で注意深く観察する
(2)歯周プローブによるプロービング
(3)レントゲン写真による検査

正解は(2)
[解説]

(1)は歯肉炎と歯周炎を見分けることは不可能。(3)は健康な歯肉と歯肉炎、歯肉炎と歯周炎の区別はできない。レントゲン写真では軟組織の情報まではわからない為。レントゲン写真で歯槽骨が溶けていると歯周病まで進行していた過去がある予想はできますが、現在軟組織の炎症がなければ歯周病の定義からはずれます。

歯肉に細い針のような器具をチクチク刺すプロービング検査。
歯医者で検査された方も多いかもしれません。
そして、患者さんからの評判は悪いかもしれません。(痛いときもありますので・・)
ただし、大変重要な検査ですので嫌がらないで必要な時はご協力ください。

歯周病治療について(3)

プロービングを行うにあたって、何を検査する事で歯周組織の状態が歯周炎であると見分けられるのでしょうか?
次の3択から2つ選んで下さい。

(1)歯周ポケットの深さ(PPD)
(2)プロービング時の出血(BOP)の有無
(3)アタッチメントロス(健康な歯肉の場合は歯の根を周囲の歯肉や歯槽骨がコラーゲン繊維の束でつなぎとめている状態であるが、なんらかの原因で壊れたり切れたりしあと修復されずに歯根とのつながりを失った状態)の有無

正解は②プロービング時の出血(BOP)の有無と③アタッチメントロスの有無 です。

「歯周ポケットが深いと歯周炎では?」と思われる方も多いでしょうが、実は(歯周炎ではなく)歯肉炎状態でも、「歯周ポケットが4mmほどある」という事もあるんです。だから、必ずしも「歯周ポケットが深い=歯周炎」という決め手にはならないのです。
(3)の「アタッチメントロスの有無」はプロービングを行ったときにプローブがCEJ(セメントエナメルジャンクション)を越えて歯と歯肉との間に入っていくかどうかで確認します。
*CEJ(セメントエナメルジャンクション)とは、歯の頭の部分(歯冠)の表面を覆っているエナメル質と歯の根の表面を覆っているセメント質との境目

アタッチメントロスを起こしている部位に炎症がみられる場合には、毛細血管は出血しやすくなってしまいます。そのため、プローブが触れると出血が起きます。
その結果が、(2)プロービング時の出血(BOP)として現れます。つまり、「プロービング時の出血=炎症の存在」を意味し、「プロービング時の出血」と「アタッチメントロス」が共にあると、「歯周炎である」と診断されます。

  BOP アタッチメントロス
健康な歯肉 なし なし
歯肉炎 あり なし
歯周炎 あり あり
歯周炎だったが治療により安定した状態になった歯肉 なし あり

歯周病治療について(4)

歯周炎によく似た症状予防歯科に来院された時、歯科衛生士から「歯周病」と言われたことがある方も多数いらっしゃると思いますが、前項にて「歯肉炎」と「歯周炎」の違いを理解して頂いたと思いますが4時間目には歯周炎について少し詳しくお話しさせて頂きます。

歯周炎によく似た症状が出る歯周組織の病変があります。それは、
① 歯内病変 ②歯根破折 ③セメント質剥離 ④歯肉縁下カリエス ⑤咬合性外傷 ですが、歯周炎とその他の①~⑤の病変の処置では全く違う方法をとる必要があります。その見極めがとても難しいです。

①歯内病変

根尖性歯周炎とも言います。この病変は根尖病巣からの排膿路が歯周ポケットのような形になので、プローブも入ります。治療としては「感染根管治療」が必要です。

②歯根破折とは

その名の通り歯の根の部分が折れてしまうことです。ただ垂直歯根破折は分かりにくいこともあります。

③セメント質剥離とは

歯根からセメント質の層だけが割れてはがれるものです。高齢者で前歯や鈎歯など力のかかる歯に生じる事が多いです。

④歯肉縁下カリエスとは

歯肉より下で虫歯になっていることです。象牙質う蝕となるので、まず必要なのは虫歯治療です。

⑤咬合性外傷とは

対合歯から強い力が長期間かかったり、歯ぎしりや不適切な修復物が原因になります。歯はそれをかわすために歯の位置を移動したり、ゆれたりします。そのために歯肉の腫脹などもおこります。

以上のことから、歯周炎の時に行う処置とその以外の炎症の時に行う処置は全く違うことが理解していただけたと思います。
これからも予防歯科コーナーで私たち歯科衛生士は歯科医師と相談しながら皆さんの大切な歯を守るお手伝いをさせて頂きます。

歯周病治療について(5)

SRPで歯周ポケットが浅くなる理由題名にもあるSRPで歯周ポケットが浅くなる理由ですが、

① SRPとは、

スケーリング、ルートプレーニングの略です。歯科専門の清掃器具を使い、歯周ポケットの奥に付着している歯垢(プラーク)や歯石を取り除く処置です。

② 歯周ポケットが深くなる原因

ポケット内にプラークがたまり、それを餌とする歯周病菌が炎症を起こすことでポケットは深くなります。

③ SRPをすると、、、

ポケット内のプラーク、歯石を取り除くことはそこに存在する歯周病菌を激減させることにつながります。ポケット内のプラークが取り除かれることで炎症は消失し、結果歯周ポケットは浅くなります。

④ SRPの目的

深い歯周ポケットは、普段のブラッシングだけでは全ての汚れを取り除くことはできないので、歯周ポケットの奥に汚れが残った状態になってしまいます。そこで、SRPを行い奥深くにあるプラーク、歯石を取り除き炎症を消失させ深いポケットを浅いポケットに改善し、普段のブラッシングで口腔内の清掃をしやすい環境に改善していきます。
しかし、SRPで歯周ポケットの奥深くに付着したプラークや歯石を取り除いただけでは歯肉は回復していきません。なぜなら徐々に歯周病細菌は後戻りし、数か月したら元の状態に戻ると言われているからです。
そこでまず、私たちは患者さんにブラッシング指導をし、歯肉縁上のプラークコントロール(歯と歯茎の境目のブラッシング)を徹底してもらいます。プラークコントロールが悪いと、細菌の後戻りが早く悪化しやすいのです。また、定期的に予防検診に来てもらい、縁下プラークを除去していくことも大切です

⑤ 長い上皮付着

適切な歯周治療後、歯根と歯肉組織は上皮を挟んだ状態で密着します。
歯肉縁上、縁下のプラークコントロールが、良好な時、上皮細胞が多めに付着してくれます。歯周ポケットは骨吸収が進むことによって、深くなりますが炎症が消失し、なおかつ清掃状態が良好だと代わりに長い上皮の付着がおこりポケットが浅くなります。
逆をいえば、口腔清掃状態が悪いとせっかく付着したものもすぐ剥がれてしまい、ポケットが深くなります。

⑥ 歯肉の退縮

SRP 後の弊害として、歯肉退縮があります。歯周ポケットの炎症が消失した結果、組織が収縮し、厚みの薄い歯肉では収縮の高さが、歯肉の減少(退縮)となって現れます。
歯肉が、退縮したことによって、今まで歯肉の中にあった歯の根が露出してくることになりますので見た目としては歯が長く見えたり、知覚過敏などの症状が現れる場合があります

一度SRP処置が終了したとしても、そこで治療自体が終わったわけではありません。
安定した状態に持っていき、そこからその状態を今後どのように維持していくかが課題となっていきます。歯周治療は普段のブラッシングや予防検診で定期的なメンテナンスが重要となってきます

歯周病治療について(6)

根分岐部病変について6時限目は根分岐部病変についてです。

奥歯のエックス線写真を撮影した時、根っこの股の部分(根分岐部)に他の所と比べると黒く濃く映る像(透過像)が見られることがあります。根分岐部に黒い透過像があると、歯周炎による根分岐部病変と考えがちですが、ここでは根分岐部病変と間違えやすい病変および根分岐部の特徴について勉強していきます。

まず、根分岐に黒い透過像が出来る原因として考えらる病変は
① 歯内病変
② 咬合性外傷
③ 歯周炎
があげられます。①と②は適切な治療により改善し、エックス写真上の透過像は消失します。③は治療が難しいことが多く、その歯の寿命を左右することもあります。それぞれしく詳しく見ていきましょう

① は歯の神経の中の上部の感染が神経の管を通って、根分岐部に病巣を作り、これがエックス写真上で黒い透過像を示します。治療法としては、感染根管治療により根管内の感染が無くなると、根分岐部の透過像は消失します。
② は噛み合わせによって、根分岐部に強い力がかかると黒い透過像が出現します。この治療法としては咬合調整やナイトガードの装着により透過像は消失します。
③ の歯周炎による根分岐部病変は根分岐部入口から進行するアタッチメントロスが原因です。水平的なアタッチメントロスが3ミリ未満の初期の根分岐部病変であれば、歯肉縁上のプラークコントロールとSRPで炎症を消退し、歯肉を引き締めることができます。しかし、根分岐部入口からもう少し奥まで病変が進むと、分岐部の骨が吸収し根分岐部病変の円蓋部(アーチ部)にプラークが残りやすくなります。そうして根分岐部病変が進行すると水平的方向だけでなく、根分岐内部で根尖方向へも、骨吸収が進行し、歯が揺れてきて、失うこともあります。
 
この治療法としては、水平的なアタッチメントロスが3ミリ以上進行した場合や歯の根っこが反対側まで貫通した場合では、天井部分を歯間ブラシで清掃できるようにトンネル状にしたり、天井部分そのものが無い状態にする、歯根分割などの方法があります。
 
逆に再生治療では、側面から天井部分までのアタッチメントを再生して、もとに戻すのが目的になります。
 
根分岐部病変は縁上プラークコントロールが低下した場合には確実に再発し、さらに少しでも内部に進行すると、大掛かりな治療が必要になったり、歯を失ったりすることが多いのが根分岐部病変のある歯の大きな特徴です。

以上のことから根分岐部病変は私たち歯科衛生士だけの力だけでは進行を止めることは難しいです。予防コーナーに来院された時に、歯ブラシのほかに歯間ブラシやタフトを指導された方もたくさんいらっしゃると思いますが、歯の寿命を延ばすためには、とても大きな役割をはたします。今後、使い方やサイズなどわからないことがあれば、いつでも歯科医師や、私たち歯科衛生士にお尋ねください。一緒に大切な歯を守っていきましょう。

歯周病治療について(7)

今回のプロービング時の3種類の出血今回も少し専門的な歯周病の話です。
プロービングとは、
歯周ポケットの深さ、
プロービング時の出血の有無、
アタッチメント(歯の根を周囲の歯肉や歯の周りの骨が繊維の束で繋ぎ止められている状態の程度)
歯周ポケット部分の歯の表面を探知し、歯の周囲の組織の状態を把握する為の検査です。

プロービング時の出血(BOP、BI)は、何故起きるのか?それは、
≪歯面にプラークが付着

プラークに接した歯面表面から1~2ミリ
の深さ迄、炎症が生じる

炎症が起こっている組織の毛細血管は、
血管内から血球等が外に出やすい状態に
なる。

プローブか軽く触れただけで出血する≫

つまり、プロービング時の出血(BOP、BI)がある、イコール、歯肉に炎症がある。
それは、歯肉の上端でも、歯周ポケットの内側の歯肉でも、炎症が起きていれば同じという事です。
歯ブラシの時に、痛みはないけど出血がある、という事は、そこに病気がある、という事なのです。

プロービング時の出血の有無を調べる事は、初期歯周治療後のメインテナンスの期間の、病気の進行や再発の発見に役立ちます。

プロービング時の出血には、3種類あり、それぞれ示す内容が異なります
①歯周炎による出血(BOP):エナメル質とセメント質の境目の部分迄よりも深い歯周ポケット内の炎症の有無を示します。(歯肉縁下プラークによる炎症)歯根面の清浄化を行った後に、歯肉縁下の状態を確認します。
②歯肉炎による出血(BOP)
③歯肉辺縁部炎症による出血(BI)

②と③は、歯肉縁上プラークコントロール不良による炎症を示し、出血の有無で、歯肉縁上の清掃状態を評価します。
つまり、歯ブラシのみで治癒させる事が出来ます。
①は、歯周炎の治療を、歯科医院で受ける必要があるのです。
このようにプロービングは歯周病の検査でとても重要な検査です。
歯肉をチクチクつついて患者様からの評判は悪いですが、定期的な検査はとても大切なので頑張りましょう!

歯周病治療について(8)

痛いSRPと痛くないSRPについて説明します。
SRPを行ってよいタイミングのお話をさせていただきましたので、ここでは いざSRPを行う時の痛みについてのお話です。

歯科の苦手な方は、あのキーンという音と痛みではないでしょうか?
ただ最近は昔に比べて麻酔の痛みも軽減されています。
しかし、SRPに関しては、以前なら、ほとんど麻酔を使用していましたが、今は麻酔無しで行う方針となって来ています。
その理由を、この8時限目でお話させて頂きます。

痛みとは‥不快な痛みは外から加わる刺激が身体に害がありそうな場合や、実際に害がある場合に生じる生体からの一種の警報です。

SRPを行う上で痛みの原因となるのは、
汚れの付いている深さと
形態の複雑さ、それと術者の技術力の可能性があります。
それを防止するには、

①技術力をあげる為の練習
②正しく器具を選択する
③術直前のプロービングで根面の状態を立体的に把握する。
④SRP中のポケット内の触知感を大切にする。

SRPの痛みを軽減する方向として、麻酔がありますが、麻酔については
『少々のアタッチメントの喪失を恐れるより、プラークや歯石を取り残す
危険性を避ける為に使用すると言う考え方』
もありますが、その場合は生体からの警報がなくなるので、術者の熟練した技術が重要となります。

積極的に麻酔するか しないかは患者さんの希望や医院の方針もあると思います。

SRPに至るまでには、患者さま 歯科医師 衛生士がしっかりコミュニケーションを重ねて 将来的な事もビジョンに入れてチームを組んで行う処置となるので、
何か不安や疑問に思ったことは 何でも相談して下さい。

歯周病治療について(9)

SRPを始めるタイミングは患者さんしだいです。

今回の歯周病のお話は、SRPを始めるタイミングについてです。
(SRPとは歯周ポケットが深い患者様のポケットの奥を掃除する治療です。)
基本的に歯周治療を始めてSRPをしていくタイミングは、患者さん自身によるプラークコントロール(自宅でのブラッシング)状態が良好になった後と考えています。

プラークコントロールが良好な状態とは?

プラークコントロールの目的は、炎症が生じないレベルまでプラーク量を減らすことです。
しかし、SRPに必要なレベルまでプラークコントロールが出来ているかの判断は、プラーク量だけでは分かりません。人によって炎症が起きるプラーク量や質が異なるためです。そのために「原因」のプラークではなく、「結果」の歯肉の炎症の有無を見ます。歯と歯肉の境目を軽く触り、そこから出血が見られなかった場合は、歯周ポケットの入口付近の歯肉には炎症がないことを示し、プラークコントロールが良好つまり、SRPが開始できる状態といえます。逆に出血が見られた場合はプラークコントロールがまだ不十分でSRPを開始することは出来ないということになります。

プラークコントロール確立の必要性

歯周炎の患者さんにSRPを行うと、歯周ポケット中の細菌数が激減します。プラークコントロールが良好な状態だと改善されたまま持続され、歯周ポケットの深さも浅くなり、炎症も落ち着きます。しかし、除去した細菌は少しずつ後戻りしていき、数ヶ月後には元に戻るというデータがあります。これを防ぐために患者さん自身のプラークコントロールが重要になってくるのです。何故なら、プラークコントロールが不十分だとSRP後の細菌の後戻りがさらに早くなるといわれているからです。
プラークコントロールの不良が原因で炎症を繰り返すと歯周病菌がはびこりやすい環境になってしまいます。このため、プラークコントロールが出来ていないままSRPを行っても結果、何の意味も示さないのです。

SRPのリスク

健康な状態の歯肉にSRPを繰り返し行うと、少量ではありますが、アタッチメントロスが起こります。これを歯周炎になっている歯肉に行うともっと危険が増します。
歯周炎にSRPを行うことは歯周ポケットの細菌を減少させるので、治療効果は高いですが、同時にアタッチメントロスを起こすマイナスな面も持っています。
プラークコントロールが確立された状態でSRPを行うと、深い歯周ポケットではプラスの治療効果の方が大きいですが、浅い歯周ポケットだとアタッチメントロスを起こす可能性が大きくなるというマイナス面の方が目立ちます。
しかし、これは、あくまでプラークコントロールが確立した状態の話であり、そもそもプラークコントロールが確立されていない状態ではSRPをやってもアタッチメントロスを進行させているだけの結果になる可能性があります。プラークコントロールが不良の状態でSRPを行っても、状態が改善するどころかさらに病状を悪化させる可能性が高くなるのです。 

デンタルハイジーン別冊 「歯周治療レッスンブック」より一部引用
大阪府堺市飯田歯科 歯科衛生士チーム
現在はここまでですが、ブログでは今後もまとめを続けていきます。時々ご覧いただけるとありがたいです
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